メーカーによるソーラーパネルの品質の違い

ソーラーパネルの品質はメーカーによって違いますか?

メーカー各社によって品質は異なります。それぞれに素材や部品、製造工程、製品検査の内容なども違うので製品の品質も変わってくるのです。同じ太陽光発電メーカーでも品質によっては長所短所があります。また、製品によっては取得できている認証が違う場合もあります。同じメーカーで一つの製品に認証の取得がされていたとしても、他の製品まで取得されているとは限らないので、購入の際は確認をしていると安心です。
品質の保証は、そのメーカー製品の信頼にも繋がります。太陽光パネルに適用される認証として、JETPVm認証とTUV認証があります。

JETPVm認証

電気製品の安全性などを検査し、認証を行っている機関「財団法人 電気安全環境研究所(JET)」が認定します。様々な製品の安全検査と認証を行っていますが、この一部に太陽電池モジュールの認証(JETPVm認証)を行っています。
太陽光パネルが適用試験基準に適合しているかだけでなく、製造する工場の品質管理体制や規格適合性試験等の的確性の確認なども行われます。 認証後も適用された規格・基準に適合した製品を、継続的に製造できる能力を維持管理しているかの確認も行われるため、 JETPVm認証を取得している製品は一定の品質を保っていると言えるでしょう。


TUV認証

国際電気規格であるIEC規格に準拠した試験が行われます。その認証基準はJETPVm認証よりも厳しく、 約30項目にも及ぶ試験項目があるため、TUV認証を取得しているということは世界基準の製品であると言えます。

また、パネルには大きく分けて5種類があります。それぞれで発電効率や影や熱の強さ、コストなどに違いがでますので参考にしてみるのもいいでしょう。

単結晶

シリコンが含まれるケイ石という原材料を加工し、加工後のかたまりを切り出したものをセルと呼びます。このセルを組み合わせると単結晶の太陽光パネルになります。シリコン原子が規則的に並んでいるので非常に純度が高く、見た目の美しさも持ち合わせています。シリコンの力を最大限に発揮可能のため、現在最も高い変換効率であると言われていますが、高純度シリコンのためコストは高くなります。


多結晶

単結晶の製造過程で、シリコンの粒が発生します。これらを集めて加工したものが多結晶シリコンです。つまり、小さな結晶の集まりからできているシリコンのため、単結晶より発電量と見た目の美しさの面も劣ります。しかし、単結晶よりコストがかからないため、大量生産が可能という大きなメリットがあります。


アモルファス

不規則な原子配列になっているのが特徴です。結晶シリコンよりも光の吸収性が良く、電卓などに採用されていました。太陽光による劣化が弱点でしたが、技術が進歩したことで屋外用も流通し始めました。高温時でも安定した発電率を維持することができます。非常に薄く、曲げることも可能で、自由な形状にできることが特徴です。大量生産によるコストダウン化を図ることも可能です。


ハイブリット

単結晶とアモルファスを組み合わせたものです。単結晶シリコンをアモルファスの薄膜で挟み込んだ形状をしています。電気変換効率の高さが一番の特徴になります。変換効率の良さに加え「高温に強い」点が大きなメリットにもなります。コスト面での努力が必要ではありますが、今後期待できるタイプです。


CIS

主流であるシリコンを使わず、銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)を主成分に構成された化合物半導体によって発電するため、ローコストです。高温時でも変換効率が低下しにくく、影の影響も受けにくいのが特徴で、落ち着いたパネルの色合いにも注目が集まっています。
ただし他と比べて変換効率が低く、広い設置面積が必要であるなど、まだまだ課題もあり研究途中という側面もあります。